東京高等裁判所 昭和43年(ラ)652号 決定
競売法三二条によつて準用される民訴法六七一条にいう競落許可についての異議の陳述は口頭弁論ではないであるから、裁判所は、競落を許可するかどうかを判断するにあたり、競落期日までに利害関係人の提出した書面をも斟酌し得るものと解するのが相当である。そして、記録によれば、昭和四三年八月二九日午前一〇時の本件競落期日には利害関係人、最高価競買申出人たる抗告人ともに出頭しなかつたが、債務者の競落許可についての異議申立書は、右競落期日前に、本件被担保権の全部弁済を証する書面とともに、原裁判所に提出されたことが明らかである。されば、原裁判所がこれらの資料によつて前記競落不許可の決定をしたことは相当であり、記録を精査しても、他に同決定を取り消すべき違法は、見当らない。
(浅沼 上野 渡部)